[image 01319] 防衛省が本年度から開始するファンディング

[木村 茂]

Image-MLの皆様、

防衛省技本先進技術推進センターの木村　茂
と申します。

防衛省が、民間・大学等を対象に、本年度から開始するファンディングである
安全保障技術研究推進制度についてご案内します。

本制度は、装備品への適用面から着目される大学、独立行政法人の研究機関や企業等
における独創的な研究を発掘し、将来有望な研究を育成するものです。

以下に、簡単な説明を付けておきます。
(詳しくは、下記のWebページをご覧下さい。
http://www.mod.go.jp/trdi/funding/funding.html)

(1)複数の研究テーマが設定され、それに沿う形で研究課題を公募し、
外部有識者を中心とした審査の上、採択するかどうかが決定されます。

(2)公募の期間は、本年８月中旬までとなっています。時間が限られていますので、
応募を考えられている方は、急いで、必要な申請書類を準備してください。 

(3)単年度毎に委託契約を締結して研究が開始されます。研究課題１件あたりの
予算額は数百万から最大３千万円/年で最大３年です。２７年度の本制度の予算
総額は３億円なので、この枠内で、十数件が採択されると思われます。

(4)本年度は、*印の画像処理分野を含む下記の28件の研究テーマが設定されています。
28件の研究テーマがありますが、各研究テーマで１件採択する方式ではありません。
全体として評価点の高いものから順に選んでいくとのことですので、同じ研究テーマの中で
複数採択される可能性もありますし、１件も採択がない研究テーマも出てくると思われます。

  1. メタマテリアル技術による音響反射の制御
  2. メタマテリアル技術による電波・光波の反射低減及び制御
  3. 広帯域かつ高機能な光学部品
  4. 赤外線の放射率を低減する素材
  5. レーザシステム用光源の高性能化
  6. 新しい超高速有線伝送路
  7. 高周波回路の飛躍的な性能向上
  8. 昆虫あるいは小鳥サイズの小型飛行体実現に資する基礎技術
  9. 空中衝撃波の可視化
 10. 船舶や水中移動体の高速化のための飛躍的な流体抵抗低減
 11. 複合材料接着部の信頼性向上
 12. 航空機エンジン用発電機の効率を飛躍的に向上させるための基礎技術
 13. マッハ５以上の極超音速飛行が可能なエンジン実現に資する基礎技術
 14. 複雑系の科学を活用したシステム・オブ・システムズにおける新たな概念の創発
 15. ビッグデータ活用による安全保障分野の問題解決
*16. 画像からの対象物体の抽出
     複雑で多様な背景画像から対象物体を自動的に抽出し認識するのは未だに難しい課題の一つです。
     この課題を解決する方法として、民生分野で研究されている様々な手法の適用が有効と考えられます。
     たとえば、深層学習や拡張現実のような先端技術の適用は、物体の抽出や認識能力を飛躍的に高める
     可能性があります。本案件では、このような技術を含め、複雑な背景画像から所望の対象物体を抽出す
     るための各種画像識別技術に関する基礎的な研究を募集します。
*17. 人間により近い目的指向型の画像環境認識
     たとえばロボットが遠隔で行動する場合、ロボット単独で自律的に環境や状況を認識する能力が不可
     欠です。しかし、物体形状のマッチングによる従来の認識技術では、動的に変化する環境や状況への適
     応に課題があります。
     本案件では、ロボットが自律行動する場合等を想定し、注視すべき内容やこれからの作業の目的に合
     わせて人間と同等レベルの高度な物体・状況認識が可能な環境認識に資する基礎的な研究を募集します。
 18. 水中・陸上両用の周辺環境認識
 19. 海中におけるエネルギーの効率的伝送
 20. 水中移動体との効率的かつ安定的な通信実現に資する基礎技術
 21. 移動体間の無線通信・ネットワークの飛躍的性能向上
 22. 複数の無人車両等の運用制御
 23. 革新的な手法を用いたサイバー攻撃対処
 24. 合成開口レーダの飛躍的な高性能化
 25. 微生物及び化学物質の離隔検知識別
 26. ナノファイバーによる素材の高機能化
 27. 野外における自立したエネルギー創製を可能とする基礎技術
 28. 革新的な方式による水中電界の検出

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防衛省 技術研究本部 先進技術推進センター 特別研究官
防衛技官　木村　茂
〒154-8511 東京都世田谷区池尻1-2-24
電話03-3411-0151　内線5321/5571
E-mail: skimura ＠ cs.trdi.mod.go.jp
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