[image 02025] ミニワークショップ「部分空間法・深層学習・大型固有値問題の出会いと融合」のご案内 (9/16,10:00-17:30)

Kazuhiro Fukui kfukui @ cs.tsukuba.ac.jp
2016年 9月 9日 (金) 14:36:43 JST


Image-MLの皆様:

筑波大学の福井です.

この度,スウェーデン王立工科大学の牧先生が筑波大に短期滞在される折り
に,科研費(基盤B:一般化差分部分空間に基づく特徴抽出の完全解明と機能
強化)の支援を受けて,以下のミニワークショップを企画致しました.従来の
パターン認識・機械学習と深層学習の境界領域における微妙な関係,またデー
タ量の増大と共に巨大化する行列計算の問題などについて,様々な側面からの
議論が出来たらと思っています.

参加無料です.是非,多数ご参加ください.

なお当日参加も歓迎ですが,会場準備の都合上,下記から事前登録して頂ける
と幸いです.
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf9yOXFMmGzk1HJiXEm9B60wtRd-z0zqFMe1rQ9gDVyvFvfXw/viewform

発表順番や会場が急遽変更になる可能性もあります.念のため,前日(15
日)に下記のワークショップサイトで御確認ください.
http://www.cvlab.cs.tsukuba.ac.jp/~kfukui/ws2016.html

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ワークショップ「部分空間法・深層学習・大型固有値問題の出会いと融合」

日時:9月16日(金)10:00-17:30
場所:筑波大学 第3エリア プレゼンルーム (3B棟 213)
http://www.tsukuba.ac.jp/access/map_central.html

===== 講演スケジュール =====

Opening:10:00-10:05

講演(1)10:05-11:20
Factors of Transferability for a Generic ConvNet Representation
KTHを例とした欧州の大学教育機関の紹介
牧 淳人(スウェーデン王立工科大学 (KTH))

講演(2)11:20-12:05
多変量解析の一般化とそのメディア認識への応用
木村昭悟 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 

昼食 12:05-13:10

講演(3)13:10-13:55
大規模固有値問題の積分型並列解法
櫻井鉄也, 今倉 暁, 二村保徳 (筑波大学) 

講演(4)13:55-14:40
Learning Additive Kernel For Feature Transformation and Its
Application to CNN Features
小林 匠(産総研)

講演(5)14:40-15:25
福井和広(筑波大学)一般化差分部分空間への射影による特徴抽出

Coffee break:15:25-15:55

講演(6)15:55-16:40
深層学習による白黒写真色付けとラフスケッチ線画化
石川 博  (早稲田大学) 

講演(7)16:40-17:25
実利用のためのパターン認識技術
柴田智行 (東芝研究開発センター) 

Closing 17:25-17:30

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講演(1)Factors of Transferability for a Generic ConvNet Representation
概要:画像認識の広範なタスクにおいて深層学習に基づく画像特徴量の有効性
が確認されている.ここでは,大量のデータで学習された汎用のネットワーク
を転移学習に適用する際,その性能に影響する様々な要因を議論する.例えば
ネットワークの構造,転移先のタスクで用いるレイヤー,特徴量の次元削減な
ど,学習前後の様々な要因を考慮し,それらの適切な選択が(17種類のタスク
で)認識性能に寄与することを報告する(Azizpour et al., PAMI
2016<http://ieeexplore.ieee.org/xpl/tocresult.jsp?isnumber=7530937>).
また,上記のように類識別向けに特化されたネットワークを通して得られる特
徴量にあっても,実は対象の位置情報が暗黙に残されていることを幾つかのタ
スクで実験的に考察する.

講演(2) 多変量解析の一般化とそのメディア認識への応用
概要:主成分分析(PCA)やFisher線形判別分析(FDA)に代表される多変量解析が
一般化固有値問題を解くことで実現されることは広く知られている.本発表で
は,上記の多変量解析を統一的な視点で捉えるための枠組として,拡張ペアワ
イズ表現と呼ぶ共分散行列に関する新しい表現形式を導入した多変量解析の一
般化について議論する.この枠組は,上記一連の多変量解析だけではなく,正
則化や半教師付き多変量解析をもその特殊例として含む汎用的かつコンパクト
な表現形式となっている.本発表では,この枠組の中で新しい解析手法を設計
する具体的な指針についても提示する.この指針では,上記の標準的な多変量
解析手法やその各種拡張を設計のテンプレートとして利用し,それを適切に組
み合わせるだけで解析手法を設計できることを示している.上記の指針に基づ
いて設計したいくつかの新しい解析手法を提示すると共に,これら解析手法を
一般物体認識に応用した事例についても紹介する.

講演(3)大規模固有値問題の積分型並列解法
概要:大規模な固有値問題に対して並列環境において性能を発揮する積分型解
法について発表する.データクラスタリングやニューラルネットワークとの関
係についても述べる.

講演(4)Learning Additive Kernel For Feature Transformation and Its
Application to CNN Features
概要:近年,画像認識においてはConvolutional Neural Network (CNN)が隆盛
を極めており,学習対象タスクにおける認識性能の高さだけでなく,その転移
性(汎化性)も注目を集めている.ここでは,転移されたCNNを特徴抽出器と
して見なした場合に,得られる特徴量をどのように変換すればさらなる性能向
上を得うるかについて議論する.特に変換関数をもデータから学習すること
で,汎化性・弁別性の両側面から効果的な変換手法が得られることを示す.

講演(5)一般化差分部分空間への射影による特徴抽出
概要:差分ベクトルの一般化である一般化差分部分空間への射影が特徴抽出と
して興味深い特性を示すメカニズムを,その応用と併せて紹介する.

講演(6)深層学習による白黒写真色付けとラフスケッチ線画化
概要:畳込みニューラルネットワークを用いた画像処理の例を2つ紹介する.
一つは白黒写真の自動色付けで,色付けと画像分類を同時学習することによ
り,局所的および大局的情報を融合させて,より自然な色付けを可能にした.
もう一つはラフスケッチの自動線画化で,学習データの準備と強化を工夫する
ことにより,少ない画像例からの教師付学習で,ラフスケッチのラスター画像
からの自動線画化を実現した.

講演(7)実利用のためのパターン認識技術
パターン認識や機械学習技術を製品に実利用する際に生じる処理コストやメモ
リ量などの問題への取り組みについて,いくつか事例を交えて紹介する.高次
元ベクトルから低次元ベクトルへの密な線形変換行列は,その処理量と行列サ
イズが問題となり組み込み機器上での利用が難しい.疎な線形変換行列を用い
た多段階の低次元射影する手法により,精度を維持したまま処理量とメモリ量
の大幅な削減を実現した.生体認証技術による個人認証システムは大量の人物
を登録し運用することから特徴量のサイズを抑える必要があるが,特徴空間上
での分布など事前知識を利用とする量子化手法では,時々刻々と登録データが
変化するため,適用が難しい.各特徴ベクトルの要素を事前知識なしで誤差最
小基準により量子化する手法により,照合時間および精度を維持したまま,大
幅なメモリ削減を実現した.



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