チュートリアル
本会議前日に下記チュートリアル講演を行います.
- 日時
- 7/29 [月] 13:30~17:00(本会議前日午後)
- 場所
- 本会議メイン会場
- 参加費
- 本会議参加費に含まれています
時間帯 | 会場1 | 会場2 |
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7/29[月] 13:30~15:00 |
「グラフカット・その後」 石川博(早稲田大学) |
「カーネル情報処理入門 ―非線形の魅惑―」 前田英作(NTT) |
7/29[月] 15:30~17:00 |
「コンピュータビジョンにおける テンソル解析」 佐藤淳(名古屋工業大学) |
「画像局所特徴量SIFTと それ以降のアプローチ」 藤吉弘亘(中部大学) |
「グラフカット・その後」
石川博(早稲田大学)
[HP] |
計算機の性能上昇に伴いビジョン問題の確率的な定式化が可能に,そして主流になるに従って,そのような確率モデルと整合性が高いエネルギー最小化法が広く用いられるようになっている.中でもグラフカットは,ビジョンでよく使われるエネルギー最小化手法として定着してきた.しかし,アルゴリズムが発達し適用可能範囲が広がるにつれ,ラベルが2値か多値か,エネルギーが劣モジュラー条件を満たすかどうか,またエネルギーが最高何点に依存する関数の和で書けているかといった条件によって,グラフカットの可能な,また最適な使用法は過去5年でも大きく変化してきた.本チュートリアルでは,グラフカットの主要な構成を紹介し,問題をエネルギー最小化問題に翻訳してその形によって適用可能なアルゴリズムを選択し解を得る過程を具体例にわかりやすく解説するとともに,高階エネルギー,非劣モジュラーエネルギー等の,より最近の展開についても紹介する. |
「カーネル情報処理入門 ―非線形の魅惑―」
前田英作(NTT)
[HP] |
カーネル法は,線形モデルによる処理アルゴリズムを非線形モデルへ拡張するための汎用的手法であり,ML・PRに限らず,CV,NLP,DM,BIなど幅広い分野における基本技法となりつつある.現代的な意味における「カーネル法」が注目されたのは,サポートベクターマシン(SVM)が登場してML・PR分野に革命(と言ってもいいだろう)が起きたことを契機とするが,その発想の源流は古い.そして背景に潜む数学的な深さもカーネル法の魅力の一端である.本講演では,「革命」の意味を解き明かすとともにカーネル法の楽しさを伝えてみたい. |
「コンピュータビジョンにおけるテンソル解析」
佐藤淳(名古屋工業大学)
[HP] |
テンソル解析は,コンピュータビジョンにおいて3次元復元や物体認識など様々な分野において用いられつつある.本講演では,テンソルの基礎やその基本的な使い方についてわかりやすく解説すると共に,テンソルを用いて複数のカメラ画像間における様々な関係を解析する方法について説明する.テンソル解析を用いることで,複数のカメラ間の幾何学的な関係のみならず,照明輝度の関係やカメラと照明の関係など様々な関係が線形に表現でき,この結果,異なるカメラ間での視点変換や異なる照明条件における輝度画像の生成,非同期カメラによる3次元復元など多くの新たな技術が実現できることを説明する. |
「画像局所特徴量SIFTとそれ以降のアプローチ」
藤吉弘亘(中部大学)
[HP] |
スケール変化や回転に不変な画像局所特徴量を抽出するScale-Invariant Feature Transform(SIFT) は,特定物体認識だけでなく画像合成や画像分類等多くのアプリケーションに利用されている.SIFTの処理過程は,特徴点(キーポイント)の検出と特徴量記述の二段階からなり,各キーポイントに対して128次元のベクトルを特徴量として出力する.SIFTは計算コストが高いため,SURFやGPGPUによる高速化が検討されてきた.2010 年以降では,ベクトル特徴量の代わりにバイナリコードで記述する手法が提案され,キーポイント検出および特徴量記述において,高速化と省メモリ化を同時に実現する手法が提案されている.本チュートリアルでは,SIFTやSURF以降のアプローチが,キーポイント検出と特徴量記述の各処理において,どのように展開されてきたかを各処理のアルゴリズムとともに解説する. |