チュートリアル

【チュートリアル1】
「LIDARを用いた3次元モデリング技術とその応用」
大石岳史(東京大学生産技術研究所)

レーザスキャナいわゆるLIDARは主に工場やインフラなど巨大な構造物や、美術品・文化財など高い精度が必要とされる物体を計測するために用いられてきた。一方、Velodyneなど実時間で範囲計測可能なレンジセンサが普及し、実時間モデリング、物体認識やSLAM技術の発展に貢献してきた。そして、このような技術は自動運転や自律ロボット、AR/MRといった分野でも広く実用的に用いられるようになってきている。そこで本チュートリアルでは、LIDARを用いた物体の3次元形状モデリング技術を中心に概説するとともに、得られた3次元データ或いは距離データを用いた様々な応用技術について紹介していく。

【チュートリアル2】
「人を対象とした実験研究の心得、秘訣、勘所」
松田昌史(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

近年、人の視線や表情、動作などの計測デバイスの普及が著しい。それに伴い、画像処理分野でも人の行動や認知に関わる研究が盛んに行われるようになってきている。それらの研究において、人を対象とした実験が実施され、得られたデータを元に研究成果の実証や評価がなされるケースが多い。ところが、これまで計算機による画像処理を専門としてきた研究者たちは、人を対象とした実験の訓練や経験に乏しく、実験遂行にあたって戸惑いを感じる場面が少なからずあると聞く。そこで本チュートリアルでは、実験心理学の立場から、実験計画で検討すべき点、参加者の集め方、実施時に注意すべきこと、結果の評価方法、人権への配慮など一般的な実験の基礎について概説する。