従来のMIRUからの変更点【重要】
要点
MIRU2017では昨年までのMIRUに対し,主に以下の点が変更になります.
- 呼称の変更
「査読」の呼称をやめ,従来の「査読付き論文」は「口頭発表候補論文」と呼びます - 日本語論文の投稿
「口頭発表候補論文」においても,日本語論文の投稿が可能となります - シングルブラインド化
「口頭発表候補論文」は著者名・所属を記載したもので評価します - CVAとの連携
英文論文誌CVAへの同時投稿は,著者が自ら行う必要があります
以下に各変更点の詳細について説明します.また併せて,プログラム編成方針,原稿作成要領もごらんください.
各変更点の解説
1. 呼称の変更
ジャーナル論文や国際会議において行われる査読とは一般に,投稿された論文の正確さ・了解性や提案内容の新規性・有効性などを第三者(査読者)が確認することです.これにより論文の質に一定の保証が与えられ,同時に著者の業績が認められることになります.それに対し,MIRUはプログラム編成方針の項で説明するように,ジャーナル論文未満・国際会議未満の研究をプロモートし大きく育てる場であり,MIRUにおける口頭発表は最終的なゴールたり得ません.また投稿された論文はMIRUでの発表に適さない場合を除き不採録となることはありませんので,これらのことから「査読」の呼称は適切でないと判断し,MIRU2017からは『「口頭発表候補論文」を「評価」した結果「口頭発表に選定」する』,という呼称に変更します.
2. 日本語論文の投稿
MIRUでは2013年から,査読付き投稿論文について英語での執筆義務付けを4年間試行しました.これは国内研究コミュニティの国際性の低さや国際的プレゼンスの低下に対する対策として打ち出された方針であり,その間,トップカンファレンスにおける発表件数の著しい増加など国際的プレゼンスの向上も進んでいます.しかし一方で,得られたばかりの成果を質の高い英文にまとめるには一定の時間を要するなど,最新の研究成果をタイムリーに発表し多くの研究者と意見交換する場としての価値が低下したとの指摘がありました.またMIRUではほとんどの発表や情報交換が日本語で行われていることに対し,論文だけを英文にする意義に乏しいという意見がありました.そこでMIRU2017からは口頭発表候補論文についても再び日本語での執筆を可能とし,荒削りでも萌芽的・挑戦的な研究をタイムリーに発表できる場としての価値をより前面に押し出して運営することになりました.
これは決して,国内のガラパゴス的環境を賛美・復活させることでも,国際化を軽視することでもありません.しかしMIRUはもちろん国際会議ではなく,また今後,国際会議に発展させる計画もありません.我々は,一定の水準に達した研究はどんどん国際的な舞台に打って出て欲しい,せっかく英文にしたのであれば英文ジャーナルや国際会議に投稿していただきたいと考えています.
もちろんこれまで通り,英文で執筆された論文は英文論文誌CVAでの同時査読を申請することも出来ます.またMIRU2017から,すべての論文(口頭発表候補論文,一般論文,デモ論文)は4ページ以下に統一されます.詳細は原稿作成要領を御覧ください.
3. シングルブラインド化
MIRUでは従来から,著者名・所属を伏せた匿名性の高い原稿を用いて査読を行ってきました.しかし上記 1. で述べたようにMIRUでは論文を査読するわけではないこと(口頭発表に選定されなかった論文はポスター発表となり原則的に不採録がないこと),同時査読を行う英文論文誌CVAがシングルブラインド制であることから,MIRUの評価・選定においてもシングルブラインドとすることになりました.
4. CVAとの連携
MIRU2013からの4年間は,査読付き論文として投稿した論文は著者が希望すれば同時に,また自動的に英文論文誌CVAにも投稿された論文として取り扱われました.しかし昨年からCVAがSpringerより発行されることとなり,それに伴いCVAへの採録・不採録を決定する査読プロセスはSpringerのシステム上で独立して行われることになりました.今後もこれまで通りMIRUの口頭発表候補論文に投稿した論文は同時にCVAへも投稿することが出来ますが,その作業は著者自身によって行う必要があります.論文フォーム等もMIRUとは異なりますので,CVA側の投稿規定に十分に注意して投稿作業を行って下さい.また,CVAに論文が掲載される時期もMIRUの開催時期とは独立となります.