ヒトや動物の視覚系における画像情報処理の研究と工学における画像処理技術の研究とは、時として、お互いにヒントは得ながらも、付かず離れずの関係を保ち、独自の進化をたどって来たように思われる。私が視覚系の脳科学に飛び込んだ当初は、半分は脳の視覚のメカニズム等、到底理解できないかも知れないと思う時もあった。しかし、視覚の神経科学の過去40年間の成果を振り返るとき、改めて脳の情報処理機構のあまりにも素晴らしい、工学的にもレベルの高い出来に驚かされる。本講演では、神経細胞の気持ちになって脳の中から外を見るという、エンジニアにとってはおそらく不慣れな情報処理システムの解析法を紹介し、物の形、動き、奥行きの脳内情報表現に関する最近の知見を解説する。
1978年 名古屋大学工学部電気電子工学科卒業、メリーランド大学カレッジパーク校に留学. 1979年 カリフォルニア大学バークレー校大学院に留学. 1986年 ネコの視覚皮質における両眼視の機構に関する研究により、同大学Ph.D. (視覚生理学, Physiological Optics). 1987年 同大学ポスドク研究員, ATR視聴覚機構研究所客員研究員. 1989-2000年 同大学 Research Physiologist. 2000年 大阪大学大学院基礎工学研究科・教授. 2002年-現在 大阪大学大学院生命機能研究科・教授. Society for Neuroscience, American Physiological Society, 日本神経科学学会会員.
MIRU2011は,東日本大震災という未曾有の国難の中,開催できることとなりました. 震災の直後は,開催の可否や時期について,いろいろな懸念もありましたが, 日本国民の困難に立ち向かう高き志と,共助の意識,その実践により, 大自然の営みがきっかけとは言え,平常の活動を継続することこそが復興と考え, 予定通り開催すること,いやすべきことと, 実行委員会をはじめ本シンポジウムの関係者全員が意見を一つにしました.
そこで,シンポジウムの最終日に, 「震災特別セッション - 震災復興へのビジョン -」を企画しました. 早期の復旧,一層の復興を目標に, 我らビジョン研究者ができることを参加者全員で討論したいと思います. パネリストとして,この問題に粉骨砕身しておられる方をお招きし, 被災現場のリアリティと生活者の声を共有したく思います.
全国各地でコンピュータビジョンに関する勉強会が盛り上がっており, 多くの若手研究者がそれぞれの勉強会に参加されています. 今回のMIRUにあわせて,全国のコンピュータビジョン勉強会が一同に結集する 「Japan Computer Vision Day ―全日本CV勉強会―」 が開催されます. 本イベントが成功するよう,MIRU実行委員会も協力します.
場所:金沢市文化ホール (MIRU2011の会場)
日程:2011年7月19日[火] (MIRU2011の前日)
査読付き論文に投稿された126件の中から, 2名の査読者による査読と2名の領域チェアによるメタレビューを行った後, プログラム委員会における慎重な審議を経て, 22件の賞候補論文を選定いたしました. さらに,カメラレディ原稿,自己推薦文,及び, シンポジウム当日におけるロングオーラルセッションでの口頭発表の内容に対して, 賞選定委員会による厳正な審査を行い,以下の賞を決定しました.
MIRU参加者の投票に基づき,4件のインタラクティブセッション(IS1~IS4), 及び,デモセッション(DS)から,それぞれ1件ずつの優秀な発表を選定しました.
画像の認識・理解技術は,学問的に魅力のある研究分野であると同時に, 産業界からも,その進展や実用化が強く望まれている分野でもあります. そこで,基礎的・理論的な研究から, 実用化・システム化を念頭に置いた応用研究までを含んだMIRU2011に関連した日本語・英語の特集号論文を発行します. 皆様の積極的なご投稿をお待ちしております.
電子情報通信学会論文誌 D分冊では,
MIRU2011発表論文に限定せず,
画像の認識・理解に関する和文の論文を広く募集致します.
なお,MIRU2011においてロングオーラルセッションに採択された研究発表のうち,
特に優れた10件程度が本特集号の論文として採録された場合には,
「MIRU2011推薦論文」として掲載します.
締切は 2011/10/10(月)です.
詳しくは,
論文募集案内をご覧下さい.
情報処理学会 CVA論文誌
(IPSJ Transactions on Computer Vision and Applications)では,
MIRU2011で発表された論文を発展させ英語でまとめられた論文を募集します.
締切は 2011/10/31(月)です(延長されました).
詳しくは,
CVA論文誌
のページをご覧下さい.
MIRU2011の主催は情報処理学会CVIM研究会ですので, MIRU2011に投稿された論文の著作権は情報処理学会に帰属します. MIRU2011で発表された内容を含む論文を投稿される場合には, 以下の点にご注意下さい.